第6話 ついにアメリカへ|初日からトラブル続きの旅

サンノゼ空港のレンタカーセンター前で車を借りに向かう家族 ・家族旅行

ついに旅が始まる

いよいよ出発の日がやってきました。

それぞれがスーツケースを引いて、家族4人で成田空港へ向かいます。

空港までは快速の普通電車。

千葉駅を過ぎると、車内はだんだん空いていきました。

成田空港までは、まだ少し時間があります。

そこで、子どもたちとトランプをすることにしました。

スーツケースを足元に置いて、空いている電車の中で家族4人でトランプをする。

今思えば、こんな何気ない時間も旅の始まりだったのだと思います。

そして、ようやく成田空港に到着。

空港に着いた瞬間、

「これから本当にアメリカへ行くんだ。」

という実感が一気に湧いてきました。

窓の向こうには、次々と飛び立っていく飛行機。

世界のいろいろな国や地域から帰ってくる飛行機。

それを眺めているだけで、家族全員のワクワクが止まりません。

搭乗時刻が近づくにつれて、その気持ちはさらに大きくなっていきました。

そして最後に、妻ともう一度確認します。

「忘れ物、大丈夫かな。」

でも、ここまで来て忘れ物に気づいても、もうどうにもなりません。

パスポート。

ESTA。

クレジットカード。

携帯電話。

そして――

子どもたち。

「これだけ揃っていれば、なんとかなる。」

妻と最終確認を終えました。

いよいよ搭乗です。

何か月もかけて準備してきたアメリカ旅行が、ついに始まりました。

成田空港からアメリカへ向かう飛行機に搭乗する家族
いよいよアメリカへ。何か月も準備してきた旅が始まりました。

機内で出会った家族

今回利用したのはZIPAIR。

機内に入ると、私たちの座席の周りには赤ちゃんを連れた家族が3組ほどいました。

長時間のフライトです。

当然、赤ちゃんが泣いてしまうこともあります。

その中でも、私の隣に座っていた男性が印象に残っています。

3列シートの真ん中に座っていた男性の奥さんと赤ちゃんは、私たちの前の列に座っていました。

横一列で座席を取れなかったようで、夫婦で何度も席を交代しながら赤ちゃんの面倒を見ていました。

席を替わるたびに、私にも気を遣ってくれます。

「さぞかし大変だろうな。」

そう思いました。

私は英語をほとんど話せません。

それでもiPhoneを使って、

「もう寝るので、席を替わりましょうか。」

と伝えてみました。

男性は笑顔で、丁寧に断りました。

言葉はほとんど通じません。

それでも、ちょっとしたやり取りができたことが嬉しかったのを覚えています。

そして機内の照明が落ち、私もだんだん眠くなってきました。

ところが――。

ここで最初のトラブルが起きます。

アメリカへ向かう飛行機の機内で座席に座る家族
長時間のフライト。ここでは思いがけない出来事もありました。

アメリカに着く前にAirPodsをなくす

ウトウトしていたときでした。

耳につけていたAirPods Proが落ちました。

どうやら座席の隙間に入ってしまったようです。

探してみますが、機内は消灯時間。

暗くてほとんど見えません。

周囲には眠っている人もいるので、大きく動いて探すこともできません。

「明るくなってから探そう。」

そう思って、いったん諦めました。

サンノゼが近づき、機内の照明がついてから再び探します。

しかし、見つかりません。

到着してからも探しました。

清掃が終わった頃、空港職員に聞いてみると、

「AirPodsの落とし物がある。」

とのこと。

「見つかった!」

と思って現物を確認させてもらうと――

私のAirPodsではありませんでした。

アメリカに到着して最初にしたことは、観光でも食事でもなく、AirPods探し。

結局、AirPodsは諦めることにしました。

でも、この日のトラブルはまだ始まったばかりでした。

アメリカ到着後のサンノゼ国際空港の到着エリア
ようやくサンノゼに到着。しかし、最初にしたのはAirPods探しでした。

初めてアメリカでハンドルを握る

サンノゼ空港を出ると、次はレンタカーです。

レンタカーセンターまではシャトルバスで移動しました。

到着して驚いたのは、その大きさ。

ショッピングモールの立体駐車場ほどある建物に、いくつものレンタカー会社が集まっています。

そして、いよいよ第5話であれだけ悩んで選んだレンタカーと対面します。

借りたのは、日産Rogue。

日本のエクストレイルに近いSUVです。

運転席に座ってみると、思っていたより違和感はありませんでした。

日本でも同型の車を運転したことがあったので、

「これなら運転できそうだ。」

と少しだけ緊張が解けました。

iPhoneを車につなぎ、Googleマップにホームステイ先を設定。

いよいよアメリカの道路へ出ます。

レンタカーセンターを出ると、わずか数百メートルで高速道路への入口がありました。

「もう高速道路なのか。」

心の準備をする暇もありません。

ただ、進入路は思っていたより車が少なく、なんとか流れに乗ることができました。

少し安心したのも束の間。

実際に走ってみると、事前に聞いていたほど車線が広いとは感じません。

横を追い抜いていく車も、想像していたよりずっと近く感じます。

そして、もう一つ慣れないのが速度表示でした。

メーターは「km/h」ではなく「mph」。

今、自分が何キロくらいで走っているのか、正確には分かりません。

それでも、日本で同型車を運転した経験があったので、

「このくらいの速度だろう。」

という自分の速度感覚とマイル表示に、それほど大きなズレはありませんでした。

左ハンドル。

右側通行。

マイル表示。

初めてのことばかりです。

それでも、

「思っていたより運転できるかもしれない。」

少しだけ、そう思い始めていました。

ところが、その直後でした。

サンノゼ空港のレンタカーセンター前で車を借りに向かう家族
空港からシャトルバスでレンタカーセンターへ。ここから初めてのアメリカ運転が始まります。

高速道路でナビが消えた

高速道路を走っている最中でした。

車のモニターに表示していたGoogleマップが、突然消えました。

「えっ?」

知らない土地。

右側通行。

高速道路。

しかも、次々と分岐がやってきます。

焦りました。

そして、案の定――

分岐を間違えました。

慣れない道をなんとか戻り、再びモントレー方面を目指します。

その後、サンタクルーズという街までたどり着きました。

このまま運転を続けるのも危ないと思い、ここで一度休憩することにしました。

ところが、この休憩でさらに状況を悪化させることになります。

レンタカーから見たカリフォルニアの交差点と複数車線の道路
右側通行にも少しずつ慣れてきたころ。それでも日本とは違う道路に緊

サンタクルーズで、通信手段まで失った

サンタクルーズで車を停めました。

駐車場の料金は、インターネット経由のクレジットカード払い。

ところが、私のスマホはすでに通信が不安定です。

結局、妻のスマホを使ってなんとか支払いを済ませました。

息子は疲れ切ったのか、車の中で爆睡しています。

妻と娘は、

「せっかくだから少し歩いてくるね。」

とビーチの方へ散歩に出かけました。

私は眠っている息子を一人にするわけにもいかないので、車に残ることにしました。

「この間にナビを直しておこう。」

iPhoneと車の接続を確認しながら、いろいろと設定を触っていました。

そして――

海外旅行用に入れていたeSIMを、自分で削除してしまいました。

一瞬、何が起きたのか分かりませんでした。

ナビが不安定どころではありません。

自分のiPhoneは、通信そのものができなくなりました。

しかも妻と娘は散歩中。

こちらから連絡する手段もありません。

息子は隣でぐっすり眠っています。

車の中で一人、

「これからどうしよう。」

と考えていました。

今振り返れば、このときの私は明らかに疲れていたのだと思います。

長時間の飛行機。

十分に眠れていない。

初めての右側通行。

知らない土地。

AirPodsもなくした。

高速道路では道を間違えた。

自分では冷静なつもりでも、判断力はかなり落ちていたのでしょう。

しばらくして、妻と娘が戻ってきました。

状況を説明すると、妻から、

「まあ、ちょっと気分転換してきなよ。」

と言われました。

妻のiPhoneを借りて、トイレへ向かいます。

娘が自分のスマホを持っていたので、これで妻たちとも連絡は取れます。

外に出ると、目の前にはサンタクルーズのビーチ。

せっかくアメリカまで来たのに。

家族旅行が始まったばかりなのに。

私の頭の中にあったのは、

「これからどうしよう。」

ということだけでした。

楽しそうなビーチの横を、一人トボトボと歩きました。

青空の下に広がるサンタクルーズのビーチと海辺の街並み
トラブル続きで立ち寄ったサンタクルーズ。せっかくの青空とビーチも、こ

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